はじめに
Anaconda Navigatorは、データサイエンスや機械学習の世界で非常に重要な役割を果たすツールです。この記事では、Anaconda Navigatorの使い方を初心者向けに解説します。
1. Anaconda Navigatorの基本
1.1. Anaconda Navigatorとは?
Anaconda Navigatorは、Pythonとその関連パッケージを効率的に管理し、異なるプロジェクト間で環境を切り替えるのに役立つツールです。
2. Anaconda Navigatorのインストール
2.1. Anacondaのダウンロードとインストール、Anaconda Navigatorの起動
Anacondaのダウンロードとインストール、Anaconda Navigatorの起動については下記の記事で紹介していますので参考にして下さい。
3.Terminalを使用する
前回の記事では仮想環境を構築し、その中にライブラリを追加する方法、例として「pandas」を追加する方法を説明しました。
今回はTerminalをしようしてライブラリ等の管理をする方法について説明します。
3.1.Terminalの起動
TerminalはAnaconda Navigatorの「Environments」タブで作成した「myenv」などの仮想環境を選択する「▶️ 再生ボタン」をクリックすると選択できます。

Open Terminalを選択するとTerminalが起動します。

ここでコマンドを入力すると実行できます。例として、conda list で実行します。

実行中の仮想環境にインストールされているライブラリ一覧が表示されました。
3.2.Terminalで使用するコマンド15選
「conda list」の様な使用頻度が高いと思われるコマンドを15件挙げていきます。
これらのコマンドを使えば、AnacondaでPython環境とパッケージを管理するのに役立ちます。
1.exit: Terminalを終了します。
exit
2.conda create: 新しい仮想環境を作成します。これは、プロジェクトごとに独立したPython環境を作成できるコマンドです。例えば、異なるプロジェクトで異なるパッケージバージョンを使用する場合に役立ちます。
conda create --name myenv
3.conda activate: 作成した仮想環境をアクティブにします。これにより、特定の環境でパッケージを使用できます。
conda activate myenv
4.conda list: 現在の環境にインストールされているライブラリの一覧を表示します。
conda list
5.conda install: パッケージをインストールします。例えば、Pandasをインストールする場合下記の様に記載します。
conda install pandas
6.conda update: インストールされているライブラリを最新バージョンにアップデートします。
conda update pandas
7.conda remove: ライブラリをアンインストールします。
conda remove pandas
8.conda info: Anacondaの情報を表示します。どのバージョンを使用しているかなどの情報を確認できます。
conda info
9.conda env list: 利用可能な仮想環境のリストを表示します。どの環境が利用可能か確認できます。
conda env list
10.conda env export: 現在の仮想環境のパッケージ情報をエクスポートします。環境を他のユーザーと共有するのに役立ちます。
conda env export > environment.yml
11.conda env create: (10.で出力した)環境ファイルから新しい仮想環境を作成します。環境ファイルには必要なパッケージのリストが含まれます。
conda env create -f environment.yml
12.conda env remove: 仮想環境を削除します。不要な環境を整理するのに使用します。
conda env remove --name myenv
13.conda search: ライブラリを検索します。特定のライブラリが利用可能かどうかを調べるのに役立ちます。例えば、Pandasを検索する場合:
conda search pandas
14.conda clean: キャッシュや不要なファイルをクリーンアップします。ディスクスペースを節約できます。
conda clean --all
15.conda upgrade: Anaconda自体をアップグレードします。新しいバージョンがリリースされた場合に使用します
conda upgrade anaconda
4.pip install と conda install
Pythonを使ってプログラムを書いたり、データサイエンスのプロジェクトを行ったりする際に、新しいライブラリやパッケージをインストールする必要が出てきます。その際に使われるコマンドが pip install
と conda install
です。これらのコマンドは、パッケージ管理を行うために非常に重要です。
4.1. pip install
pipの基本
pip
は Python のパッケージ管理ツールで、Python インタープリターと一緒にインストールされます。一般的に、Python のプロジェクトに特定のライブラリやモジュールを追加する際に使用されます。
4.2. conda install
condaの基本
conda
は、Python だけでなく、他のプログラムやライブラリを管理するためのパッケージ管理ツールです。Anaconda や Miniconda といったディストリビューションと一緒に使用されることが多いです。
4.3. 違いと使いどころ
違い
pip
は Python パッケージ専用ですが、conda
は複数のプログラミング言語やパッケージを管理できます。conda
は環境(仮想環境)を作成し、環境ごとに異なるバージョンのパッケージを管理できますが、pip
は一般的にシステム全体に影響を与えます。
使いどころ
- Python プロジェクトを行う場合、
pip
でライブラリを追加するのが一般的です。 - Python 以外のプログラミング言語を含むプロジェクトを管理する場合、または独立した仮想環境を作成したい場合、
conda
を使用します。
4.4 どちらを使うべきか?
用途に応じて選択
pip
と conda
はどちらも優れたツールですが、使用する状況によって選択するべきです。
- Pythonパッケージだけを扱う場合、
pip
は一般的に問題ありません。 - Python以外のプログラミング言語や複数の環境を管理する必要がある場合、
conda
が適しています。 - 特定のライブラリやツールが
conda
のリポジトリに存在しない場合、pip
を使用することもあります。
以上より、Anacondaを使用してpythonコードを書く場合、原則 conda install
を使用しましょう。
必要なパッケージやライブラリがAnacond になければ、pip
を使ってインストールしなければなりません。しかし、pip
でインストールする前に、かならず conda search
コマンドを使って、Anaconda で公開されていないか確認し競合しない状況でpipを使用して下さい。ライブラリの競合は動作不良の原因になります。
5. まとめ
Anaconda Navigatorは、データサイエンスや機械学習の分野で極めて重要な役割を果たすツールです。この記事では、Anaconda Navigatorの基本的な使い方を解説しました。以下はこの記事でカバーされた主要なポイントです。
- Anaconda Navigatorの基本: Anaconda Navigatorは、Pythonとその関連パッケージの効率的な管理をサポートし、異なるプロジェクト間で環境を切り替えるのに役立ちます。
- Anaconda Navigatorのインストール: Anacondaのダウンロード、インストール、およびAnaconda Navigatorの起動方法について説明しました。
- Terminalを使用する: Terminalを介してAnaconda Navigatorの仮想環境を管理する方法について説明し、一般的なコマンドを示しました。仮想環境を作成、アクティブ化、ディアクティブ化、ライブラリの管理などが含まれます。
- pip install と conda install: Pythonプロジェクトで新しいパッケージやライブラリをインストールするために使用する
pip install
とconda install
の違いについて説明し、それぞれの使いどころを紹介しました。
記事を通じて、Anaconda Navigatorの効果的な使用方法を学びました。適切なツールを選択し、環境を効果的に管理することは、データサイエンスやプログラム開発の成功に不可欠です。Anaconda Navigatorを利用することで、Pythonプロジェクトの管理とライブラリのインストールが簡単に行えます。
コメント